先日最終回を迎えたアニメ「Re:CREATORS」の感想です。(以下レクリエータズ)





レクリエータズ面白かったです。2クールだったのもあってとても丁寧に作られてました。







誰しも一度は、自分の世界に好きなアニメや漫画のキャラクターが現れたら、なんて思ったことがあると思います。 でも、その現実世界に連れて来られたキャラクターはどんな気持ちなんでしょう。自分を創った創造主が住む世界に来たらまず何をするのでしょうか。







以下ネタバレ含みます。












1話から戦闘シーンがあったのが良かったですね。軍服の姫君の剣がいっぱいあってグルグル回ってんのかっけー! (語彙力不足)


思い返して見ると、みんな召喚されてからの適応力がすごいですよね。1話からコンビニでお菓子買って食べてるし、2話にして自分を創った神様である原作者に会いに行っちゃってるし、展開早くて最初1クールアニメだと思ってました。


でもこれは私がただのバトルもののアニメだと思って見ていたからで、実際は創造主(クリエイター)と被造物(キャラクター)のそれぞれの思いのぶつかり合いがテーマであるのではないかと思ってみると、複雑な思いを抱えたキャラの心情や、クリエイターの作品に対する情熱を描き切るのに2クールでも足りないくらいでしたね。後日談が欲しいと思ったキャラも何人かいますし。


ストーリーの主人公となるのは颯太よりも、松原さん達クリエイターとそのキャラクター達の方が主人公っぽかったですね。松原さん最初出てきた時は、見た目冴えないおっさんだし絶対脇役だろうと思ってましたけど……(失礼)。


特に1クール目最後の方は松原さん主人公みたいなところありましたからね。セレジア瀕死の絶体絶命に駆けつけ、俺が絶対死なせねえ、と危険を顧みず、急ぎSNSを使って新たな設定を付け加えるシーンはほんとかっこ良かったです。自分が作ったキャラを1番愛しているのはやっぱり自分なんですね。こればかりはいくらその作品を好きな颯太でも口出しできません。





颯太はどちらかというとクリエイターというより、作品のファン目線の立場が多かったように思います。世界の改変を望むアリステリアを説得できたのも、颯太が「緋色のアリステリア」の大ファンだったからですしね。


「緋色のアリステリア」は不幸な物語だけど、同時に人々に力と勇気と、正義のあり様を教えてくれる物語だ、とファン目線でしか言えないようなちょっと恥ずかしいセリフも堂々と言ってましたね。


その言葉を受けアリステリアは自分のしてきたことは娯楽のための作り話だという虚無感から幾分解放されたような表情をしていました。そこからの「緋色のアリステリア」の作者高良田との対話です。


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「お前が創造した私の世界は、お前にとっても愛しき世界か」

「は?」

「お前は私の世界を救うつもりがあるのか。そう訊いている」

「お前の世界を救うのは俺じゃない、お前次第だ。お前にしか、あの世界は救えない」

「なぜだ」

「だってお前、主人公じゃんよ」


その後に主人公についてセリフが続きますが長くなるのでここは割愛します。要するに、アリステリアが頑張って解決しないと世界は救えない。作者ができるのは帳尻を合わせることくらいだ、とのこと。


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「改めて貴様に聞く。私の物語は、力と勇気を語る世界か?  私が血を流し、この身を捧げて正義に尽くすに値する世界か」


この問いかけに対し高良田は恥ずかしがりながらも肯定しました。じゃなきゃこんな話書かねーよ、とも言ってましたね。


アリステリアに物語の改変をするように捕らえられていた高良田でしたが、それでも自分の書いた物語に対する情熱はありました。下手すれば自分のキャラクターに殺されかねない場面で、松原のようなかっこいい姿ではないにしてもクリエイターの意地が見られた良いシーンだったと思います。







あと印象的だったのはブリッツとその作者駿河のシーンですね。


面白い話の展開のために娘を殺され、その復讐をまさにしようとするブリッツとの対峙シーンで、銃で撃たれながらも自分の思いを曲げずに真正面からぶつける駿河は女性ながら相当肝がすわってましたね。


駿河の言い方はブリッツに対してはまさに外道といったところでしたが、クリエイターとしてみれば至極真っ当なことを言っていますよね。キャラに安息を与えるために描いているのではない、客のために、おもしろくなるように描いている、そのためなら、いくらでも不幸を描くし、世界もひっくり返す、と。


そしてここまで成功するのにも、楽してなれたわけではない、苦労の日々があったことを語ってましたね。あんたを捻り出すまでに、どんだけ腹の底から泣いたと思ってんのや、と。


結局お互いの立場が違うので理解するまでには至りませんでしたが、今後も駿河の匙加減で苦悩を味わうことになるかもしれないブリッツが、元の世界に戻ることに反発しなかったのは、駿河を自分の創造主として認めたということだったんですかね?  この辺りは軍服の姫君ことアルタイルと、シマザキセツナの結末を見届け、何かしらの変化があったと考えるべきなのか。




最後に颯太とアルタイルとシマザキセツナについて



颯太とシマザキセツナは友達以上恋人未満みたいな関係でしたね。ただ、颯太自身はシマザキセツナの才能に嫉妬していたため、彼女が本当に自分を必要としている時に助けることが出来なかったことを自分が彼女を殺したんだと思いずっと責めていました。


クリエイターとしての活動も、その後も続けてはいるものの、シマザキセツナへの罪悪感からかなかなか前に進めない様子でしたね。



そんな忘れたくても忘れられない過去のはずが、彼女が描いた軍服の姫君アルタイルを前にしてもすっかり忘れてしまっていたのはどうかと思いますが、きっとその頃は嫉妬で彼女のキャラクターをまともに見れてなかったんでしょうね。


対するアルタイルは一目見ただけで颯太に気が付きましたね。颯太に敵対心があまり無かったのは、世界が消滅するのだから今更気にする必要もないと思ったのか、シマザキセツナにとって大切な人だったから手を出せなかったのか、一応名付け親だからか、いずれにしろ深い関わりがある割にはあんまり颯太との絡みがなかったのはちょっと残念でもありました。



でも颯太は、アルタイルを思い出してからは、過去と向き合うようになりましたね。そして誰にも止められなかったアルタイルを、彼女の創造主であるシマザキセツナを見事に描きあげることによって救うことができましたね。これにより颯太もクリエイターとして止まっていた自身の歩みを進めることが出来ました。「君を創った僕は、君に追いつけただろうか」との問いに答えは返って来ませんでしたが、きっと追いつけたのだと思います。





そしてやっぱりアルタイルがメインヒロインでしたね。どんな被造物よりも強く、世界を改変する力も持っている。そして創造主には忠義を尽くしてくれるという理想的なキャラクターです。


「森羅万象(ホロプシコン)第三楽章 表象展観」とか能力もカッコ良くて思わず真似したくなりますね。喋り方もデザインも中二心をくすぐるというか、すべてが良い。


また、時折優しさも見せるんですよね。ブリッツが再び戦場に戻ってきた時も、なぜ戻った、君は娘御と居ればそれでよかったのだ、とブリッツが敵陣営に寝返ったことよりも、戦場に加わらなければならないブリッツの身を哀れんでいましたね。世界の消滅とか企んでるけど、本当は優しい子なんですよ。


そして何よりも、シマザキセツナに一途でしたね。彼女の目的がそもそもセツナを追い詰めた世界に対する復讐に一貫してましたし、あれほどの力を持っていながら死んだはずのセツナが現れた途端動揺を隠せなかったのは、それだけ創造主セツナへの思いが強かったからでしょう。



生きていた頃のセツナが現界した時のアルタイルは、喋り口調も変わってましたね。「余の」から「私の」へと口調が変化していくとこが可愛すぎる!


それでも、アルタイルは必死に否定しようとしました。あなたは違う、だってセツナはもういないと。


するとセツナは、自分がここにいるのは奇跡みたいな物だと言います。続けて

「ーーーーでも、私があなたのセツナじゃないって、あなたを騙す為の偽物だって怒るなら、私をどうしてくれても構わない。あなたには、そうする資格がある」

とも言います。その言葉にアルタイルは、一度は剣を構えますがすぐに降ろし、無理に決まってるじゃない、と悲しい顔を見せましたね。幻でも、まやかしでも、私にはそんな事できないと。




そしてお互いに話したかったこと、言わなければいけなかったことを語ります。

アルタイルは感情を包み隠さず、ずっと会いたかったこと、セツナを知った時にはもう彼女は何処にもいなかったこと、彼女の痛みのすべてを知り世界を憎んだこと、彼女を消し去った物語が許せなくて復讐をしようと思ったこと話します。そしてあなたの創った物語の中でずっと共に歩んで行きたかったとも。


セツナは、アルタイルを描き上げたとき、良い所悪い所すべての願いの中に、世界を憎いという思いも含んでしまい、それが呪いとなって彼女に深く刻みこんでしまったこと、祝福していたのに、自分のせいで復讐に身を費やしてしまったこと、自分が弱くて一緒に歩むことができなかったことを謝ります。




確かアルタイルも万能というわけではなかったんですよね。ホロプシコンも簡単にやっているように見えて、実は能力をすべて把握できていなかったり、大衆から愛されていたから無敵の力を得ることができたと言っても、その強さはアルタイルが頑張って手に入れたのだと思います。すべてはセツナの為に。






そしてセツナは、アルタイルが自分の弱い部分をすくい上げて、とても強い力に変換してくれる力を持っていると言っていましたね。自分を悪者だというアルタイルに、悪者かもしれないけど弱き者の王だと。アルタイルはおそらく言われて嬉しかったと思いますが、それをセツナにではなく、同じように弱き者に使えと言っているようでしたね。世界をもう一度抱きしめることが世界を創る事だと。


どういうこと、と思う前に電車の音が聞こえてきましたね。そうです、普通ならあり得なかったセツナの現界もとうとうここまでのようでした。お迎え、ではなくセツナが自殺をしたあの日の再現。セツナはアルタイルに、私もあなたが大好きですと言って飛び降ります。



そこからはスローモーションに時が進みます。アルタイルはホロプシコンを使い電車を食い止め、その隙にセツナを助けようとします。しかしセツナは自分がここにいるのは世界の決まりをねじ曲げていることだから、助けてはダメだと言います。助ければ世界が終わってしまうと。


ですがアルタイルは、そんなことさせないと言います。



「あなたのくれた私の能力はホロプシコン。それは因果をねじ曲げるだけじゃない。無から有を構成することもできる無限の能力。あなたの創ってくれた私はーーーーーー世界を創り出すこともできるのだから」


そして2人は別世界へ行ってしまいましたね。セツナとアルタイル2人のための、これから作っていく無限の物語、無限の世界に……。










レクリエーターズ、このタイトルはやはりセツナとアルタイルのことを指しているんですかね。もし違うとしてもそれも含んでいるとは思います。





創造主と被造物、まったく違うようで本質は同じようでしたね。物語を作る者も、物語に生きる者も自らの役目を持って必死に生きている。物語の結末は最後まで誰も分からない。そして物語を必要とする者がいる限り物語は永遠に続いていく。それこそ万物は流転して……

















……なんか恥ずかしいこと言ったような気もするのでここで感想終わっておきます。