「私はな 本当は…あのとき "ワンダーランド"がつくった 死んだ 紗名のコピーなんだ」 






「アリスと蔵六」8巻の感想です。


キングが意外とまだ近くで生活してたり、物語の鍵を握りそうな新キャラが登場したりと色々あった8巻でしたが、上記の紗名のセリフで全部吹っ飛びました。


7巻であっさり生き返っていたので忘れていましたが、紗名一度死んでるんですよね。しかも遺体まで残っているという……。


よく漫画で生き返ったりする時は、元の体があればそこから生き返ってたり、跡形も無く消え去っている場合だったら前後の記憶が少し欠けた状態で生き返ったりと、新たに作り出されるというよりは元の体を基準として戻ってくることが多いですよね。


今回もそんな感じで紗名は死んだ肉体から蘇った、もしくは生き返った時に前の体は消えてるのかと思っていたので、紗名の遺体を見たという蔵六に驚きました。


自分は自分だけど前の自分ではない。今の紗名は生き返ったのではなく前の紗名の情報を写し取ってワンダーランドに再び創られたコピーだった……。大人だったらそんな細かいこと気にすんなで済みそうですが、純粋で繊細な子供にとってこれは辛いことですよね。だからこそ蔵六に問いかけ、全ての自分を再び受け入れてもらう必要があったわけです。


もちろん蔵六はどんな紗名でも紗名として、家族として受け入れてくれますが、問題はここからです。





「クロエって死んだんだろ? 生き返らせてやるぞ 私を 家族にしてくれたお礼だ」


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正直なところ、クロエや早苗の両親が死んでいると分かった時点でいつか言い出すのではないかと冷や冷やしてましたが遂に言ってしまいましたね。それも最悪のタイミングで……。


この後紗名は蔵六に頬を引っ叩かれますが、どうしてか解らないといった顔。そして蔵六が去り際に放った「わるいこと」という言葉だけが紗名の心に深く突き刺さります。






あー、ほんと紗名の気持ちも分かるだけに読んでいて辛い!


だって再びワンダーランドに創られた自分が受け入れられたなら、自分がクロエを創ったってOKだと思ってしまうし、その方が蔵六達も喜んでくれるはずだって思ってしまうのは当然ですよ。


実際ミニーCあたりにやったら喜びそうな気はしますしね。だが相手は蔵六、考え方が違う。


おそらく死んだ者を生き返らせてはいけないというのは、蔵六が常日頃言っている「曲がったこと」なんでしょうね。何でも思い通りにしていいものではないということですね。難しいことは言えませんが……。


次巻はどうなるのでしょうね。頭で理解するような問題ではないのでそれがまた難しいところ。