アニメ「クジラの子らは砂上に歌う」 9話の感想です。


戦いが一区切りし、死んでいった者たちは生き残った者に未来を託します。今回はその先へ、新たなステージなどと言いった未来を指す言葉が多かったですね。OPも「その未来へ」となっている辺り、アニメではこれが一つのテーマとなっているのでしょうね。これから先、泥クジラの人々は罪人の呪縛に抗い、どのように生きていくのでしょう。



長引く戦いにマソオを始め泥クジラの人々に限界がきていましたね。帝国兵は元々消耗戦を狙っていたようでした。敵の方が戦争に慣れています。加えて感情がないため迷いなく人を殺めるのことできます。一方で泥クジラはサイミアを使い慣れていない小さい子どもも多いですから、長引けば長引くほど泥クジラ側が不利になります。



戦いの最中、敵に向かって歩いていくクチバを見つけるマソオ。クチバさんは無印なのでサイミアが使えません。サイミア無しで敵に突っ込んで行くのは自殺行為です。それでもクチバは自ら剣を取って戦いたかったのは、愛するタイシャ様を殺された無念を晴らすためでした。


取り囲んでいた兵士を弓で射止め、マソオはクチバを助けに行きます。何やってんだクソバカもやし、と。

アニメでは尺の都合上カットされましたがマソオとクチバは小さい頃からの腐れ縁で、よくマソオがからかったり、今みたいに口喧嘩をしていたようです。別に仲が悪かったわけではなく、こうしたピンチにはマソオが助けたり、クチバはマソオの身体を心配したり、そこには兄弟に近い絆がありました。


クチバが倒れた帝国兵の仮面を取ると、少女でした。原作では止めを刺せずにもたもたしていたクチバに少女が反撃しようとしたところでマソオが代わって止めを刺します。無印のクチバは印のマソオより長く生きられます。ここで手を汚してずっと後味の悪い思いをする必要はない、というマソオの考えでした。自分ならそれも短くて済むと。ここも原作のみのシーンです。


自分よりも若い者にこれを言われるのは辛いものがありますね。本来なら年齢の高いクチバがマソオにお前の方が先が長いのだから汚れ役は任せろ、とでも言う立場なのですが、泥クジラの世界では逆になることもあるのですね。無印の辛さは印に頼りっぱなしになってしまう心苦しさがあります。

一度は誰の力も借りずタイシャ様の仇を討とうと飛び出したクチバでしたが、それをするには力も覚悟も足りませんでした。




一方でスキロス内のヌースの間では、アラフニに代わりパゴニがオウニに止めを刺そうするところでした。絶体絶命のピンチにニビが現れます。「邪魔すんじゃねぇこのハゲ!」と。


お互いを信頼しあえる仲だからこそできるニビとオウニの息の合った連携でした。まずパゴニが二人の同時攻撃にやられます。調子に乗ったニビは敵を挑発します。
「俺とオウニが一緒ならいつだって最強なんだよ!」と。

オウニが刺された脚に苦しむと、ニビはオウニを心配し駆け寄ります。その隙をついて銃が一発、ニビの心臓を貫きます。続けざまに槍が三本、オウニを庇ってニビは息絶えてしまいます。

悲しみと怒りでオウニが覚醒します。これにはアラフニ司令も戸惑っていました。ヌースの間ではサイミアが使えないはずなのにオウニからはこれまでにない規模のアウラが……。次々と敵の武器を破壊していきます。


オウニに意識があれば真っ先にニビを撃ったアラフニを攻撃するでしょうから、あれは無意識に使っていたのでしょうね。自分で制御できないサイミアの暴走状態と似たものでしょうか。アラフニはその姿をデモナス(悪霊)と呼びます。もともとデモナスはヌースを破壊するようになっているのか、偶然だったのかは分かりませんが、スキロスのヌースも巻き込まれ破壊されます。




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ニビとの別れのシーンは独特な演出でしたね。砂の海で王冠をかぶった小さいニビが小船に乗ってやって来たと思ったらいつの間にか大きくなったニビに変わって砂の海へ沈んで行きます。帝国兵に受けた傷のところが別空間のようになっていてそれがハート型になっていました。


ニビはオウニと出会い、一緒に同じ空を見たり過ごしているうちに泥クジラでの毎日も満足していたようです。オウニもニビたちに出会わなければ自分がここにいていい理由が生まれなかった、と。泥クジラを出て行かなくても二人とも幸せだったのですね。それがこんな形でしか伝えられなかったというのが……。もっと早くに伝えていれば結果は変わっていたかもしれません。


ニビはこの世界の先を見せてくれ、とオウニにすべてを託して消えていきます。




そして前回フライングして名前を出してしまいましたがここで名乗ってましたね。オリヴィニスがチャクロの前に現れます。

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オリヴィニスはチャクロに取引を持ちかけましたね。泥クジラの人々全ての感情を偉大なるヌース・アンスロポスに捧げればコカロをあげよう、と。

チャクロにそんな権限はありませんし、そのよく分からないものを貰ってもどうしろってなりますよね。当然チャクロは断ります。

するとオリヴィニスは今度は別のやり方で交渉してきましたね。精神攻撃でしょうか、最初に苦痛を与え、次に幸福な世界を見せることで辛い感情を必要のないものだと思わせます。オリヴィニスは、泥クジラの子たちの辛い記憶を満ち足りた記憶と書き換えることで救済したいんだと言います。


じゃあみんなの思いはどうなるの、とチャクロは言います。サミやタイシャ様みんなが俺たちとここにいた。その生きた証を忘れるなんてできないと。

「痛みや苦しみ、全てが俺たちの生きてきた記憶だから」

その答えに興味を持ったオリヴィニスは、コカロをチャクロに渡します。君の選択のその先が見たいと。



精神世界から出たチャクロたちは、オウニを連れてスキロスを脱出します。ギンシュ姉さんも生きていました。ウルミとモジャモジャを合わせて6人が何とか生還します。

スキロスが沈んでいき、泥クジラに残された帝国兵のほとんどは身投げをしていきます。アラフニのような一部の人間にしか帰る手段がなかったようですね。残った兵で泥クジラを制圧しようとも考えないのは自分の意志も何も帝国に支配されていたためなのでしょう。


多くの犠牲者が出ましたが、スキロス戦は泥クジラの人々の勝利となりました。帝国の脅威が去ったわけではありませんがヌースを1つ失ったことは大きいでしょうね。すぐにまた攻めてくることはないと思います。しばらくはまた平和な暮らしができることでしょう。……いや、泥クジラも何か変わっていかないといけませんね。痛みや苦しみを忘れないと選択をしたチャクロの、泥クジラの未来はどうなっていくのでしょうか。


ここで一区切りしてアニメは終わると思っていましたがまだアニメも続きます。どこまでやるのか、どう幕を閉じるのか楽しみですね。






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