天才の証明



「はねバド! 」11巻の感想です。 




10巻で羽咲綾乃と狼森あかねの戦いが始まったかと思ったら、もう準々決勝で益子泪と戦ってますね。正直なところ個人的には狼森の活躍をもっと見たかったですが……。

あのなんていうかワイルドな感じが好きでした。立花コーチの予想で優勝の可能性がある1人に挙げられていたので、もっと手こずるかと思っていたのですが意外とあっさりやられてしまったのが残念です。









今までは主人公が強すぎるゆえに他のキャラが皆、羽咲綾乃の踏み台にしかなっていない状況でした。しかし11巻にしてようやく羽咲は格上の相手と戦うことになります。






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宇都宮学院の益子泪。津幡、志波姫と合わせて三強と呼ばれ、中学時代ではその2人でさえ全く太刀打ちできなかったほどの天才。雑誌が選んだ優勝候補筆頭にもなっていました。





荒垣なぎさも羽咲と互角に渡り合っていましたが、実力は羽咲の方が上でしたからね。益子泪はその羽咲の上位互換と言える相手です。


単に左利きで同じというだけでなく境遇も似たものでした。幼い頃から圧倒的な強さを持ち、天才と言われ続けてきた2人。心の支えだった人に裏切られ、人から賞賛されることはあっても愛されることはなくいつも孤独。心に闇を抱えるうちにいつしかバドミントンを楽しむことがなくなっていました。


9巻で薫子が羽咲に言っていた「敗者に囲まれた孤独な王様」は益子にも当てはまりますね。羽咲は荒垣に負けたことでその役を一度降りることができたわけですが、益子は今もその王様を演じ続けているわけです。




「常に勝者でいるっていうのも……案外不幸ですわよ」




と、これも薫子の言葉ですが、まさに益子泪がその状態にあると言えるでしょうね。親に嫌われ、唯一の味方だと思っていた兄にも疎まれ、それでも天才と言われ続ける限りそれを背負って生きていかなければならなかった益子は、心を閉ざし結果だけを求める歪んだ性格になってしまいました。
 



自分と似たものを感じる益子を救ってあげたいと思った羽咲は、荒垣と戦って得た自分のように、全力でぶつかれば益子とも分かり合えると馬鹿正直に彼女の挑発に乗ります。

 
しかしそれは荒垣が相手だったから羽咲の心に響いたのであって、荒垣ではない羽咲が同じことをしても益子の心にまで届くことはありませんでした。


そのまま第1ゲームを益子に取られてしまった羽咲。作戦を守らなかったのでヴィゴの説教が来るかと思ったら意外にも良いこと言っていましたね。貴方自身のやり方でやること。そうすれば相手の心にも届くはずだとちょっとしたアドバイスをしてくれます。あなたがやりたくてはじめたことだからもう止めない、と。


ヴィゴも随分変わりましたよね。初登場時は何だこのクソじじいと思いましたが、今は羽咲の優しいおじいちゃん的なポジションになってきてます。少しずつ羽咲の理解者が増えていくのは良いですね。あとはお母さんくらいか……。








そう言えば、羽咲の母有千夏が益子のプレイスタイルがどうの言ってたシーンでプレイスタイルは性格と一致する、相手の心の深いところにある本人そのものに触れれば相手の事を深く知ることができる、と言っていましたが、それに対する薫子たちの反応が



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と全く説得力がなくなっていたのは面白かったですね。やっとお母様が少しずつ娘と向き合うようになったのにそういうこというのやめたげて!


はねバドは結構トゲのある発言で笑いを取ってくるのが好きです。







話を戻しまして、羽咲はヴィゴに言われたように自分らしさとは何か考えます。でも性格が悪いくらいしか思いつかない(そのコマがすごい人をバカにした顔してます)。相手を威圧して打ちのめすような戦い方しか……。


あ、それでいいのかと羽咲は昔の頃の自分を出しながら戦います。その羽咲が益子が待ち望んでた「神藤」でした。


全日本ジュニアで益子が自分と同じものを感じたあの神藤。無感情で相手を圧倒し、何を考えているのか分からない。周囲からは「特別」だけを期待されている作りモノ。それが益子の考える神藤と自分でした。


しかし羽咲はあの頃の神藤とは違いました。あの時と違ってバドミントンを楽しんでいます。それは全力で叩いても全く問題ない相手だからでしょうか。


もちろんそれもありますが、1番は羽咲が自分から積極的にこの試合から何かを掴もうとしているからだと思います。与えられたものではなく自らの意志で手にしたいと思うもの。


その目標を達成するためには結果で示さなければなりません。自分が「天才」だと証明するために。







いつだったか羽咲は言ってましたよね。もうお母さんのことはどうでもいい的なことを。


羽咲はお母さんをまだ好きってことなんでしょうかね? 羽咲綾乃に「天才」と言い続けてきたのは他でもない有千夏ですから、その「天才」の証明をするということは有千夏がやってきたことが正しかったと認めさせるためにやっていることになりますよね。


電話で有千夏と話した時の羽咲のお母さんを倒す発言はもう有千夏関係なく強くなろうという決意だと思ってたのですが私の勘違い?






何にせよ羽咲が楽しそうにしているのを益子は納得がいかない様子でした。そんなきらめいた顔を神藤綾乃がするなよ、と。


そして益子が本気を出します。


 コートを広く使い左右の厳しいところを狙われ、羽咲が両手を使って返しても間に合わないほどの速さで
攻めていきます。益子をよく知る記者の人によれば、泪ちゃんが変わった……もう相手は何もできない、と。そして羽咲より速いクロスファイア……。


この泪が一人称が「俺」の方の泪なんですかね。まだ喋ってないので分からないですがおそらくそうでしょう。





そして羽咲は初めての壁にぶつかります。強敵に立ち向かうにあたって見えてしまう己の非力さ。どんなに努力してもこれ以上特別力が強くはならない。体も大きくならない。


それでも必死に戦う娘を見て、今まで冷静に分析していた有千夏がついに綾乃頑張れと叫びます。


有千夏の声が届いたかは分かりませんが羽咲は見事ピンポイントで弱点を突き、嫌な流れを戻したところで次巻に進みます。






イッキ読みしないと所々忘れていることがありますね……。羽咲と益子の試合がピックアップされてますが、ほぼ同時進行で荒垣とコニーの試合も始まってます。個人的にこっちの試合の方がどっちが勝つか分からないので気になりますね。


津幡と志波姫は準決勝に進むのが確実で、羽咲は主人公だから順当に上がるとして荒垣とコニーはどうなるでしょうね。荒垣が勝てば羽咲との熱い戦いがまた見れますし、志波姫との3年生同士の戦いも見てみたいです。


でも荒垣は膝がいつ爆発するか分からないですからね。今度は無理をさせないと立花コーチも言ってましたし、コニーは無理をしないと勝てない相手ですからね……。


とりあえず羽咲と益子の試合が終わった時に何の描写もないまま荒垣が負けてるのだけは見たくないです。








あと、11巻はチビ志波姫がめっちゃ可愛いかったです。(ロリコンではないぞ)


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