ベスト4決定!
漫画「はねバド!」13巻の感想です。
13巻でついにベスト4が決まりました。激闘の末勝ち上がったのはなぎさかコニーか。そして衝撃の事実を知ってしまった綾乃。13巻も見どころたっぷりでしたね!
ここから先は13巻のネタバレを含みます。
最終ゲームで7点差をつけられてしまったなぎさ。会場全体がすでにコニーの勝利ムードでした。膝の影響ではなく単純にコニーが強過ぎただけ。大人と子供ほどの実力差に周囲は終わったとつぶやきます。コニーも当然のように勝利を確信し「バイバイなぎさ」と引導を渡します。
「うるせえんだよ」
!!?
誰もがなぎさの言葉に驚きます。ただの強がりではありません。なぎさの目は力強く、まだコニーに勝つ気でいました。最終ゲームでこの点差でもなぎさは諦めていませんでした。
ここからはなぎさが反撃します。気迫と粘り強さで徐々に点差を縮めていきます。そして必殺技のジャンピングスマッシュ! なんとか点差を2点にまで縮めます。
しかし疲れを見せたなぎさはそれをコニーに気取られ、再び点差が開いてしまいます。
11-7でインターバルに入ります。汗を拭いていたなぎさの肩に立花健太郎が手をおきます。

これは前回のなぎさの告白に対する健太郎なりの答え、何ですかね? なぎさの「好き」という気持ちにコーチとしてではなく立花健太郎として特別だと答えたんですから。なぎさにとってこの場で一番の励ましでしたね。なぎさは照れながらも元気になります。
元気を出すなぎさに対して苦い顔をしているのはニュアンス的に膝等の心配を言っているのに、かえって無理しそうな雰囲気になってしまったからでしょうか。ああ、伝わってないなという表情をしていました。
一方でコニーは志波姫にゲームの流れを持っていかれないように淡々と勝ちなよと言われます。しかしそれをコニーは受け入れませんでした。
もう死んでもいいって思える絶頂を味わいたい、人生をかけているこの仕事の価値を見極めたい、この競技に深くハマれるならそれが地獄でも見てみたい。
自ら苦しみたいというコニーの考えは常人には理解しかねるものですが、天才ってそういうものなんでしょうね。その思考も決まったものさしでは測ることはできないのでしょう。しかしあまりこじらすと変態と言われてしまうという……。
ゲームが再開します。地獄を見るために、苦しみたいがためになぎさを挑発しながらコニーは点を取っていきます。それに応えるようになぎさも全力で点を取っていきます。
お互い全力を出しての体力の削り合い。正直コニーがここまで根性で張り合うとは思っていませんでした。綾乃の時といい、なぎさにはそうさせる何かがあるってことですよね。冷静に分析するタイプの志波姫と戦えば志波姫もこうなるのでしょうか。
こうなってくると力を発揮するのはなぎさの方で徐々に点差を詰め、18-16と再び2点差まで追いつきます。
苦しいながらもコニーは嬉しそうにしていましたね。ここで地獄を見ることで自分のさらなる力を引き出せる、綾乃を叩き潰すための力を手にすることができる、そう思うともっと苦しみたいとなるのでしょう。
そう言えばコニーはママ(有千夏)のナンバーワンなるために綾乃を倒したいんでしたね。作風が変わってから半分忘れてましたがコニーは元々子供っぽいところがある子でした。
しかし自分が強いという自惚れか、コニーにはまだ甘さがありました。これは自分が望んだ試合展開だと、進んで得た苦しさだと考えていたことです。そしてコニーは本当の地獄を知ることになります。
全身の毛穴から全ての力が噴き出しそうな感覚。言う事をきかない身体。何もかも分からなくなってついていけない頭。連戦を想定したプロ同士の戦いを経験してきたコニーにはここまで追いつめられるのは初めての経験でした。圧倒的な実力差があったはずのコニーでしたがなぎさに同点まで追いつかれ、いつの間にか自分が仕留められる側になっていました。
ここまでくると周りのなぎさの評価も変わってきますね。ヴィゴは乗りこえるべき最強の壁と評し、倉石監督はヤツはこの試合を通じて別人になったと言っています。
残りの2点争いは足に堪えるラリー勝負になりました。ここまで追いつめられてもまだ自分の実力に自信のあるコニー。今までの経験から、追いつめれば必ず相手の方から諦めると思っていました。
そしてついになぎさを追いつめたコニー。最後の1点! コニーは勝利を確信し、なぎさの顔を窺います。しかしなぎさの目は真っすぐ前を向きまだ戦意を喪失していません!
ここでコニーが自分の限界を超えた力を発揮します。強烈な一打! おそらくこの試合で一番パワーがあったコニーのスマッシュ! なぎさはそれを拾うことができずに試合終了!
……かに思えた!
しかしシャトルはわずかにラインの外へ……アウトです!
いやー、心臓バクバクですよ。完全に終わったと思いました。ここでコニーも覚醒するのか、ってなりましたし、フレゼシリアの仲間たちも「よし!!」なんて言うから、しばらく結果を知りたくなくて数分心を落ち着かせてから覚悟決めて読みましたよ。そしたらまだ勝負は終わっていなかった!思わずおおおおおお!と声が出てしまいましたよ。良かった。本当に良かった。
なぎさはこの時さらなる進化を遂げましたね。なんとアウトは運が良かったのではなく、軌道もすべて見えていた上でアウトになると判断し取らなかったということでした。なんという選球眼!極限状態で研ぎ澄まされていますね。
さすがのコニーも「いい加減にしてよ……」と脅えます。全力でやっても倒れてくれない相手。勝ちを譲らない相手。試合の中でどんどん強くなっていくなぎさを恐れるも、この相手なら自分も高みにいけると、まだまだ成長できると感じます。
止まってしまえばもう動かないだろう足、全身の疲労はピークに達しているのに二人はとても楽しそうにバドミントンしていました。
「守るものなんてない 失うものも 何一つ……
このコートには たくさんのライバルと 楽しさだけ!!!」
なぎさの必殺技ジャンプスマッシュが炸裂します。これは、なぎさの勝利……か?

えっ、ええええええええええええ!!!!
まさかのここで立花コーチが棄権のサインを審判に示し、そのままなぎさの敗退が決まってしまいました。
当然なぎさは立花コーチに抗議します。「だってまだ動く!!」と。
コーチはお前が一番わかっているだろ、と言います。
どうなんでしょう? 試合中何度もなぎさの膝を映すシーンはありましたが、なぎさはもう限界だと分かっていたんですかね。純粋にバドミントンを楽しんでいたので膝のことを忘れていたような気がします。
なぎさは抑えきれない気持ちを立花コーチぶつけます。体当たりで

ここでコニーと試合を続ければもしかしたら勝てたかもしれない。(最終ゲームが25-24なので十分可能性はありました)
しかし膝の保障はできない。今のなぎさなら高校で日本一になれたかもしれないが、それをゴールにするにはもったいない素材。立花コーチも膝の怪我で悔しい思いをしたからこそ、特別な存在であるなぎさに同じ思いをさせたくなかったのでしょう。ギリギリまで試合を止めなかったのなぎさの意思を尊重してですかね。コニーをここまで苦しめたこの経験はお互いとって価値があるとコーチは言います。
コニーもこの結果に納得してませんでした。「楽しかったのに 途中で終わりにしないで……」と涙を流します。
「これで終わりじゃない コイツは必ず戻ってくる」
立花コーチがコニーに言います。ここのシーン、まるで俺たちでお前を倒してみせると言っているように見えました。なぎさが言うのではなく立花コーチが言うところに深みを感じられます。
なぎさは膝のことがあったのでこれ以上勝ち上がれないだろうなとは思っていましたが、ここでコニーに負けて欲しくなかったので決着がつかずに終わったこの試合は個人的には大満足でした。コニーを強く見せるためになぎさを弱くしたりしなくて本当に良かったなと。
試合後のコニーとフレゼシリア女子の仲間たちのやりとりは久しぶりにほのぼの回を見た気がしますね。見られるのが恥ずかしいとか意外とコニー乙女ですね。
そう言えばコニーとなぎさの試合、有千夏は観てませんでしたね。綾乃をホテルに連れて行った後、そのままホテルにいたんでしょうか。コニーがここで負けるとは思ってないから観てなかったんでしょうかね。
ベスト4、1年3年対決なのが面白いですね。この怪物1年生2人に志波姫津幡が勝てそうに思えないのですが三強の意地で大いに苦しめてくれるのを期待します(笑)
夜になって目覚めた綾乃は偶然益子泪に遭遇します。可愛くない綾乃に笑いました。あの益子泪相手に臆しない綾乃ちゃんは強くなったなあと。ちょっとポンコツっぽさがある津幡路ちゃんも可愛いかったですね。泪が負けてへこんでると思って慰めにきたとか。
ホテルに戻った綾乃。そこにはヴィゴと綾乃のお父さんの姿が。隠れる必要もないのに綾乃は反射的に隠れてしまいます。何の話をしているのか近づいてみると……

まさかの事実。あんなに若々しく元気のあるお母さんが病気(?)だったとは……。
綾乃に知らされなかったのは有千夏が口止めしてたんですかね。コニーはこの事を知っているのでしょうか。
有千夏の先がもう長くないことを知った綾乃はお母さんに自分が最強だと伝えるために絶対にこの大会に勝つ決意を固めます。なんだか昔の綾乃に戻ったかのような雰囲気が出ていました。
13巻も気になるところで終わりましたね。また昔の綾乃に戻ってしまったら果たしてバドミントンを楽しむことができるのでしょうか。コニーもそうですが、2人はバドミントンで最強となることでしか有千夏から愛してもらえないのでしょうか。3人で一緒に暮らせる日は来るのか、次巻に続きます。

アニメとはまた違う2人を見るのも楽しいですよ。
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